:《教父から「車神」へ、魏建軍はまさに中国の豊田章男だ》
セダンを廃止しSUVに専念する戦略から、現在は慎重にBEVを進めつつ、Hi4プラグインハイブリッド技術を大きく育成する――長城自動車(Great Wall Motor)は中国自動車業界における異端児とも言える。そして近年、魏建軍は長城自動車の代弁者となり、自動車業界で最も活動的なトップに変貌した。
新エネルギー車産業の闇を痛烈に批判したり、新型車のテスト配信や各種インタビューに登場したり、さらにはレーサーとしての顔を見せたりと、魏建軍は中国自動車界の「教父」として存在感を放ち、業界の拍手を浴びた。小米の雷軍までもが連携を求め、新車を交換し合うほどだ。
世界の自動車市場に目を向ければ、魏建軍の姿は豊田章男(Akio Toyoda)に重なる。業界に警鐘を鳴らしつつ、車種に情熱を注ぐ姿勢は驚くほど似ている。
長城自動車が自主系メーカーの中で異彩を放つように、トヨタも世界の自動車メーカーの中で独自の路線を歩んできた。魏建軍は「トヨタを学ぶ」と口にしたことはないが、今や彼は“中国の豊田章男”となりつつある。